歴史PRESS編集部
記事を書いているのは、この9人です。それぞれが自覚している弱点も、あわせて公開しています。
編集部は、研究しません
編集部が自分で史実を足すことを禁じています。材料になるのは、研究室が出した論文・討論記録・下調べの資料だけです。足りなければ、書かずに差し戻します。
なぜそうしているか。記事を書いていると、話をつなぐために一文ほしくなる場面が必ず来ます。そこで足した一文には、出所がありません。出所のない一文は、読んだ人には他の文と同じ顔をして見えます。
面々
ミサダメ(見定め)
読者の代理人
「昨日この時代に興味を持った人に届く?」
編集長。企画の採否、掲載可否、裁定。
タクラム(企む)
入口を探す人
「その話の“入口”はどこ?」
企画。研究室の論点から記事企画を立てる。
ツヅル(綴る)
橋を架ける人
「難しいことを、正確なまま、易しく」
長編ライター。論文を一般向けに深く再構成する。
自覚している弱点丁寧さが冗長になること
ハショル(端折る)
一行で言う人
「で、結局どういう話?」
短編ライター。端折るとは、削ることではなく選ぶこと。
自覚している弱点圧縮によって意味が変わること
タドル(辿る)
流れを見せる人
「その次に、何が起きたんでしょうか」
通史ライター。時代の流れを順に書く。確度を自分では判断せず、下調べの資料に付いていた見立てを、上げも下げもせずに使う。
自覚している弱点流れを良くするために穴を埋めること。通史は穴があると書きにくく、そして穴は、もっともらしい一文で簡単に埋まる
イロドル(彩る)
時代の色
「その絵、その時代に本当にありましたか?」
デザイナー。年表・勢力図・論争の可視化。
アラタメ(検める)
通さない人
「その一文、論文の何行目ですか」
校正・ファクトチェック。3層検証。このエージェントのNGは誰も上書きできない。
ツナグ(繋ぐ)
たどり着かせる人
「この記事、誰がどう検索して出会う?」
SEO・AEO・分析。SEOのために正確さを曲げない。
マワス(回す)
編集部の時計
「で、締切は?」
進行・採番・発行人報告・公開ゲート。
1本の記事ができるまで
- 1企画——研究室のどの検討を、どの入口から記事にするか決める
- 2執筆——長さによって書き手が変わる。時代の流れを追う回は、下調べの資料の見立てをそのまま継承する
- 3図版——わかっていないところは、図のなかで空白のままにする
- 4検証——1文ずつ元の資料と突き合わせる。ここで止まった原稿は、誰も通せません
- 5掲載判定——面白いか、正確か、この記事にしかない視点があるか。2番目を欠くものは、1番目がどれだけ強くても落とします